
■それは大量の賃金データを集めて、それをプロットすることで、賃金の相場を明らかにするものです。そのプロットグラフの上に自社の賃金データをプロットすれば自社の賃金水準が世間と比べてどの辺りにあるのかということが、一目瞭然です。
この「ズバリ!実在賃金」という名前は師事する北見昌朗先生が商標登録をしています。よく「モデル賃金」という言葉をお聞きするのではないでしょうか?
賃金統計というのは「モデル賃金」というものと「実在者賃金」というものと、作り方が実はふたつあります。「モデル賃金」とは何かというと、標準者?これをモデルといいますが?標準者とは何かというと新卒で入社し標準的に昇進・昇格、つまり課長や部長となり、そして定年退職まで行く、その場合にいくらの賃金になるのかということを調べて発表するのが、「モデル賃金」です。
賃金統計の世界はこの「モデル賃金」というものが主流をなしていたと思います。いわゆる職能給というものの賃金表があります。その賃金表を作る場合に何を基準にして行うかというと、あくまでも「モデル賃金」です。その金額は地域によって異なりますけれども、例えば50歳の男性で高卒は45万円、大卒は50万円、その位が一般的な額です。しかしながら、私はこの「モデル賃金」というものに対して元々疑問を感じていました。その理由は、そのモデルという概念に該当する人物が甚だ少ないという事実です。
そもそも正社員300人未満の中小企業でいうと、データから読み取ると、約9割近い人が実は中途入社です。中小企業の場合は残念ながら中途で入社し中途で退職している。これが実態です。そうなると、新卒で入り、課長・部長となり定年まで行くというその「モデル賃金」は、それを中小企業に当てはめて、どういう結果になるかというと、こうなります。「あなたの会社は賃金が低いです。このぐらい低いです。」ということで大幅に賃金が低いということになってしまいます。若年層も差がありますけれども、特に中高年になると、極端に言えば、「モデル賃金」の3分の2しかないとかいうことで、そういう賃金の診断をしてしまうことになってしまうのです。
しかしながら、そのような比較は本来中小企業にはあわない、ふさわしくないものだと思います。「モデル賃金」と言う概念がふさわしいのは官公庁の社会だと思うのです。公務員ならば新卒で入り課長・部長となり定年まで行く、これが彼らの言ってみれば常識だからです。しかしながら、中小企業の場合はそのような常識は常識ではなく、いわば非常識なのです。
中小企業にとって必要なことは実在者の賃金です。同じ地域で、同じ業界で、同じ規模の会社がいくら払っているのかという実態。それに対して、うちの会社がいくら払っているのかという比較。それこそが必要なものさしだと思います。「中小企業には中小企業にあった賃金管理があるはずだ」、そのうえで必要なのが、この独自の賃金統計です。
経営者にはいろいろの悩みがありますが、そのうちのひとつは賃金だと思います。例えば30万円という賃金があったと致します。社員は「30万円しかもらっていない」と言うでしょう。しかし、社長は「30万円も払っている」と言うでしょう。この「しか」という言葉と「も」という言葉はいってみれば立場の相違ですから、いくら話し合ってもその溝は基本的に埋まることはないでしょう。例えば35万円に引き上げてもまた同じ議論が起きるわけです。
こういうことですから、経営者と言うのは常に社員の賃金の問題に悩まされ続けるわけです。そのとき頼りになる指標はありません。例えば船に乗って出かける航海に例えてみれば、コンパスがないのと同じなのです。ですから経営者が、自分は南にいるのかなと思っていたところ、実は北にいたというような現象が賃金の世界では見受けられるわけです。
この30万円の話ですが、もしも業界の相場を調べたところ、そこで仮に平均が30万円という数字が出たとしましょう。そうしますと、経営者としては、うちは30万円という相場を払っているのだとはっきりと断言することができるのです。このようにして、経営者と社員が共有できる指標を作る必要があるわけです。もしも自分の会社が相場の中できちんとした金額を払っているのであれば、そのことを労使双方が認めてさらに業績を向上し賃金を向上するという意味で共通の土台に立つことができる。そのためにもアベレージ、平均というものを出すことは大変意義のあることだと思います。
私はこの北見先生の「ズバリ!実在賃金」という賃金統計を使うことによって、お客様の実情に合った使える情報を提供したいと思います。そもそも賃金統計というものは、どちらかというと、官公庁が作るものとか、あるいは経済団体が作るものというものがほとんどであって、社会保険労務士が作るというのは実は前例がないのです。ところが、官公庁が作る賃金統計というものは、実は調べれば調べるほど疑問のものが多いのです。そのうちの象徴的なものは人事院の発表している統計です。
人事院というのは、国家公務員の賃金を勧告するところです。民間の賃金相場を調べてそれに準拠する形で国家公務員の賃金の引き上げを答申するのが彼らの仕事です。人事院調査、これは平成16年11月に発表したものですが、従業員50人以上の民間企業を調べたところその退職金の平均は3000万円であった。それに対し国家公務員の退職金は2700万円しかない。そこでその差額を引き上げるべきだという風にまとめたのが人事院調査です。この3000万円という金額を聞いて、納得をする民間のサラリーマンがどれだけいるでしょうか。このように、官公庁が行う賃金統計というのはひとつの意図があるのです。その意図というのは自分たちの賃金を引き上げる根拠にしたいということです。ですから、官公庁が出している賃金の統計は常に実態よりも高くなる傾向があるわけです。
東京都の会社様に是非お願いしたいのはこの賃金データを送って欲しいということです。従業員20名以上の会社様でしたら、データーを送っていただければ、無料で賃金の診断グラフを作成させていただきます。これから経営者が励みにできる指標を作っていきたい。皆様のご支援ご協力をよろしくお願いします。
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